2009年9月刊『ガイドブック菊池恵楓園』菊池恵楓園の将来を考える会

「西日本新聞」2009年9月30日

 今春、開設百年を迎えた国立ハンセン病療養所・菊地恵楓園(合志市)の入所者や支援者でつくる「菊池恵楓園の将来を考える会」(工藤昌敏会長)は、恵楓園の百年の歴史を紹介するガイドブック(A5判、75ページ)を作成した。長い間、国の強制隔離政策の場となった同園の歴史的経緯を交え、園内の施設を写真付きで解説している。考える会は「園の実態を知ってもらい、見学に役立ててほしい」としている。
 恵楓園が本格的なガイドブックを発行したのは初めて。入所者が高齢化し、見学者を案内することが難しくなっているため、見学者の利便性向上を目的につくった。
 恵楓園正門から、社会交流会館、治療棟、売店など36の施設を掲載。かつて入所者が建てた養豚場や、帰れない故郷をしのんで外を眺めた望郷台など、すでに姿を消した施設も掲載。入所者が経験した差別事件にも触れている。
 現在は公園や豊かな自然に囲まれ、きれいに整備された恵楓園。だが、入所者はかつて理不尽な監禁生活などを強いられ、人権侵害と向き合って生きてきたことが分かる。工藤会長(79)は「私たちにとって百年は隔離の歴史。施設の実情を知り、差別や偏見について考えてほしい」と話している。