2010年2月刊『闇に消えた1100億円』今西憲之・大和都市管財被害者弁護団

「夕刊フジ」2010年4月6日号

 不動産売買やゴルフ場経営の関連会社でグループをつくっていた抵当証券会社「大和都市管財」が経営破綻したのは2001年4月。大阪府警は出資法違反容疑で関係先を一斉捜索し、同年11月には元社長を詐欺容疑で逮捕した。 高齢の被害者らは1万7000人。被害総額1100億円。「第2の豊田商事」とまで呼ばれた巨大詐欺事件は、その後、被害者らの国家賠償請求訴訟に発展するが、大阪地裁は07年、同年の抵当証券業の更新登録を漫然と認め続けた国の賠償責任を認める判決を下す。
 すべてを失った被害者の悲劇や官僚の怠慢、また証言者となった官僚の良心などをジャーナリストの視点で描いた人間ドキュメントは迫力満点だ。

 

「日刊ゲンダイ」

史上初、国家賠償責任を認めた先駆的判決
 2001年4月、近畿財務局は抵当証券会社「大和都市管財」に対して更新登録を拒否、大阪府警が強制捜査に入った。被害者数1万7000人あまり、被害総額1100億円という、豊田商事事件に次ぐ大型消費者被害として注目を集めた事件だ。特筆すべきは、豊田商事事件をはじめ、これまでの消費者被害事件における財産被害についての国家賠償責任を容認した判決は皆無であったが、この事件において史上初めて国家賠償責任が認められ、先駆的判例となったことだ。
 本書は事件の概要を追いながら、いかなる経緯によってこの奇跡的な判決を勝ち取ることができたかを詳細に描いたドキュメント。
 業務改善命令の指示が出されながらそれを無視した近畿財務局の怠慢と腐敗、背後に暗躍する政治家・官僚など幾重にも立ちはだかる分厚い壁を、ひとりの官僚の証言を突破口に打ち崩していく弁護団の闘いぶりは、まさにドラマのようだ。