2015年12月刊『翼よ、よみがえれ!』土屋龍司 著


『信濃毎日』2016年9月11日付

ソ連軍侵攻、ポツダム宣言受託に混乱する満州で、林弥一郎率いる飛行隊の有志たちは、帰国を目指して南へと向かう。途中で八路軍に出会ったことが彼らの運命を変えるー。新中国の空軍創設に協力した日本兵士たちの物語である。
日本軍の遺棄した飛行機を残骸ともども集めて組み立て直す。算数もおぼつかない若者を飛行士に育てる。日本人たちは友人として遇された。帰国後は警察の監視にも遭うが、本書によれば、林は敵見方を超えた奇跡のような成果を誇りにしていたという。

 

『読売新聞』2016年3月28日付

満州(現中国東北部)で終戦を迎え、帰国の機会を失ったまま中国共産党軍の空軍創設に協力した日本陸軍飛行隊長、林弥一郎少佐と部下の知られざるドキュメンタリー小説。八路軍の捕虜となった一行は、司令官の林ビョウらの強い要請で、陸軍だけだった共産党軍の空軍創設に動き出す。航空学校創立からその教育など空軍を媒介にした友好の原点を描く。