書 名
ドイツ人女性たちの<誠実>
ナチ体制下ベルリン・ローゼンシュトラーセの静かなる抗議
著 者
幸津國生
本体価格
2000円
ISBN
4-7634-0457-1 C0010 Y2000E
発行年月日
2006年12月26日
体 裁
四六判上製
頁 数
244頁
内 容
1943年 ベルリン・ローゼンシュトラーセ街に
千人を超える女性が集まってきた。

「夫を返して!」
ゲシュタポに拘束されたユダヤ人連れ合いの釈放を訴えた
ドイツ人女性たちの必死の叫び

戦後60年、ドイツで注目を集めているローゼンシュトラーセ事件から、
われわれ日本人が学ぶことを問う。

目 次
はじめに …… 7
一 戦後六〇年をどのように迎えるか  10
1 ナチ・ドイツの歴史に対する「いま」のドイツ人の歴史認識 …… 10
2 考察の視点と論点 ……30

二 ローゼンシュトラーセ事件において示されたドイツ人の生き方  44
1 ローゼンシュトラーセ事件において注目されていること──ナチスの当惑 ……44
2 ローゼンシュトラーセ事件の位置付けへの問い ……48

三 ナチスによる「結婚」・「混血婚」の位置付け  53
1 「混血婚」をめぐる当時の状況 ……53
2 ナチスによる「結婚」・「混血婚」の定義およびその女性観 ……59
3 「混血婚」の定義に見られる意識の在り方 ……77

四 「人種主義」の問題点  81
1 当時のドイツ人が「人種主義」に囚われた理由 ……81
2 「反ユダヤ主義」・「人種主義」・「社会ダーウィニズム」の価値観 ……84
3 ナチ国家政策における「人種主義」の実践──「安楽死」 ……94

五 「誠実」をめぐる諸問題  101
1 「生粋のドイツ的な徳」としての「誠実」 ……101
2 「誠実」概念の歴史 ……105
3 「ドイツ的誠実」の問題点 ……116
(1) ヒトラーへの「忠誠」 116
(2) キリスト教会の態度 126
(3) 一般のドイツ人女性たちの態度──ナチスの女性政策からの影響 ……133
4 ローゼンシュトラーセ事件におけるドイツ人女性たちの「誠実」 ……136
5 「ドイツ的誠実」の源泉──タキトゥス・フィヒテ・ヘーゲル ……144
6 〈白バラ〉運動──自覚的な抵抗運動 ……157
7 ナチ体制を超えるもの ……168


六 「いま」から見たローゼンシュトラーセ事件における
          ドイツ人女性たちの態度への評価の視点  174

1 「誠実」と「市民的勇気」 ……174
2 ローゼンシュトラーセ事件におけるドイツ人女性たちの「誠実」において示されたもの
           ──歴史を超える人間 ……178

文献註 ……189
註 ……195
あとがき ……215
文献目録 ……223
索引 …… (1)

著者紹介
幸津國生(こうづ くにお)
1943年 東京生まれ
東京大学文学部卒業
同大学院人文科学研究科博士課程単位取得
都留文科大学勤務をへて
ドイツ・ボーフム大学ヘーゲル・アルヒーフ留学(Dr.phol.取得)
現在 日本女子大学勤務

著書
『哲学の欲求 ヘーゲルの「欲求の哲学」』弘文堂、1991年
『現代社会と哲学の欲求──いま人間として生きることと人権の思想──』弘文堂、1996年
『意識と学 ニュルンベルク時代ヘーゲルの体系構想』以文社、1999年
『「君死にたまふことなかれ」と『きけ わだつみのこえ』・「無言館」──近代日本の戦争における個人と国家との関係をめぐって──』文芸社、2001年
『時代小説の人間像──藤沢周平とともに歩く──』花伝社、2002年
『茶道と日常生活の美学──「自由」「平等」「同胞の精神」の一つの形──』花伝社、2003年
『「たそがれ清兵衛」の人間像──藤沢周平・山田洋次の作品世界──』花伝社、2004年
『ヘーゲル事典』(共編)弘文堂、1992年