書 名
教育基本法「改正」に抗して
教育の自由と公共性
著 者
佐貫 浩
本体価格
2400円
ISBN
4-7634-0466-0 C0037 Y2400E
発行年月日
2006年6月20日
体 裁
四六判上製
頁 数
360頁
内 容
教育基本法「改正」案を徹底検証!!
日本の教育はどうなる

教育基本法の「改正」は、日本の社会と教育をどこへ導くのか?
新自由主義の《格差と競争の教育》で、本当に教育は改革できるか?
幻想としての新自由主義教育改革の徹底批判と、未完のプロジェクト、現行教育基本法の歴史的意義を再発見する中から、人間と社会の危機に真に立ち向かう教育改革、親や住民が参加する学校のありかたを探る。
目 次
まえがき …… 1
? 教育基本法「改正」のねらい
第1章 教育基本法「改正」案を批判する  14
一 密室協議と国民無視の暴挙 …… 14
二 教基法「改正」案の問題点──国家と教育の関係の逆転 …… 15
三 「改正案」の諸問題について …… 28
四 新設条項をどう見るか …… 36
五 教育の公共性の構造転換の中で教基法の価値を考える …… 39
六 現行教基法の理念の実現をこそ …… 44
第2章 教育内容と個人の態度・価値観を統制する法への「改正」   47
一 教基法の核心=「教育の自由」への攻撃 …… 48
二 望ましい国民像の規定へ …… 55
三 教育「目標」による教育内容の管理・統制へ …… 57
四 「人権としての教育」が危ない …… 60
五 「教育の自由」の根拠としての「直接性」(「直接責任性」) …… 64
六 「教育振興基本計画」の問題 …… 66
第3章 国家と教育──教育基本法を考える──  68
一 国家と教育の関係を逆転させる「改正」 …… 68
二 教育への「不当な支配」規定を廃する …… 74
三 国民と教育と国家 …… 82
四 教育行政の基本理念を組み替えるもの …… 89
五 憲法が求める教育とは …… 93
? 新自由主義と教育
第4章 「義務教育の構造改革」と教育の公共性  98
一 「教育の構造改革」の構造 …… 101
二 パフォーマンス評価がもたらすもの …… 104
三 参加と選択そして「評価」 …… 112
四 教師の専門性と親・住民の参加 …… 117
五 ナショナリズムと教育の公共性 …… 125
第5章 NPMとは何か──学校経営における統制化と市場化の論理──  128
一 急速な学校改変がもたらしている教育の危機 …… 128
二 今日の学校の変化を主導する論理 …… 131
三 日本型NPMの特徴と性格  …… 132
四 総務省の推奨するNPMの特徴と性格 …… 136
五 教育の条理とNPM …… 142
第6章 学校選択制度と教育改革──その現実と問題点──  147
一 学校選択の始まり …… 148
二 学校選択制への期待を生み出すもの …… 152
三 「学校選択」行為の力学と問題 …… 156
四 「学校選択」をめぐる議論と論調 …… 165
第7章 今問われている学力問題とは何か   174
一 OECDの国際学力調査が示すもの …… 174
二 学力の構造と学力低下問題 …… 179
三 競争圧力の構造的変容と学習意欲の低下 …… 188
四 新自由主義的な教育政策による「学力」破壊 …… 190
五 学力問題解決への方向 …… 193
六 補足──教育課程「改革」の動向 …… 196
第8章 学習のあり方を考える  201
一 競争の教育による「意欲のバイパス」の形成 …… 202
二 学力の全体性とその構造 …… 208
三 民主主義と協同のための市民を育てる学力 …… 214
おわりに …… 221
? 憲法を学ぶとは
第9章 憲法を生きる力にする教育──シチズンシップの教育としての憲法教育── 224
一 憲法的な生き方の方法の喪失 …… 225
二 自己責任論とのイデオロギー闘争を …… 228
三 憲法的な生き方と教育の責務 …… 230
四 表現とコミュニケーションの性格を転換する──シチズンシップへの道 …… 234
五 青年のエンパワーメントと共同性の実現 …… 237
第10章 憲法・教育基本法と平和──第九条を核として二一世紀の平和を考える── 239
一 平和な二一世紀をどう構想するか …… 241
二 平和の価値の発見の歴史 …… 243
三 日本国憲法と表現・コミュニケーションの論理 …… 251
四 日本国憲法の二つの「平和的生存権」 …… 256
? 公共性の再建
第11章 戦後社会構造の変化と教育の転換
──「企業社会」がもたらしたものをどう組み替えるか──  
一 戦後六〇年 …… 262
二 戦後教育史の素描 …… 264
三 この展開から見えてくるもの …… 270
四 この閉塞的循環を断ち切るもの …… 282
第12章 新自由主義の教育改革の構図  285
一 九〇年代の教育の変化 …… 286
二 学校と子どもの変化、学力の歪み …… 290
三 教育政策の変化 …… 296
四 道徳性の再建について …… 305
第13章 人と人とのつながりから公共性の再建へ
──社会の急激な構造転換の中で──
一 現代とはどういう時代か──グローバル化の進行と人権の切り下げ …… 309
二 参加の困難性──社会的排除を組み込んだ社会システムへの変化 …… 312
三 現在の困難を深める要因 …… 315
四 主体性剥奪システム …… 318
五 「平和的な国家及び社会の形成者」へ …… 323
六 求められる学力・個性 …… 328
おわりに──教育学の課題 …… 331


あとがき …… 335

資料 現行教育基本法と「改正」案の比較 …… 1
著者紹介
佐貫 浩(さぬき ひろし)
1946年、兵庫県に生まれる。東京大学大学院教育学研究科を経て1981年4月法政大学着任。
専攻分野:教育政策分析、教育課程論、平和教育学、環境教育学。
『学校を変える思想』教育史料出版会1988/『学校改革を考える』花伝社、1990/『学習指導論(社会系)』(法政大学通信教育部テキスト)1992年/『平和を創る教育』新日本出版社、1994/『「自由主義史観」批判と平和教育の方法』新日本出版社,1999/『社会科教育法』(共著、法政大学通信教育部テキスト)1999年/『知的探求の自由』教育史料出版会、2000年/『イギリスの教育改革と日本』高文研2002年、『新自由主義と教育改革』旬報社2003年、他