書 名
絵画の思索
絵画はいつ完成するか
著 者
小澤基弘
本体価格
2200円
ISBN
4-7634-0471-7 C0071 Y2200E
発行年月日
2006年8月1日
体 裁
A5判上製
頁 数
190頁
内 容
「黄金の瞬間」はいつ来るか
 創造と破壊の果てに

現代絵画における作品完成の問題
至高体験と自己実現の視点から
現代絵画の巨匠・ジャコメテイとベーコンとの対比を通じて論じたユニークな絵画制作論     
目 次
はじめに 5

第一部 現代絵画における作品の完成の問題
1) 現代絵画において画家は作品の完成をどう判断しているか  10
序 10
1. 現代の画家の完成の判断とその定義:アンケートの分析その1 13
2. 完成の判断基準はあるがそれを明確に定義できない場合
                 :アンケートの分析その2 19
3. 完成の判断基準がない場合:アンケートの分析その3 23
4. 意思表示のない場合:アンケート分析その4 25

2) 現代絵画における完成の概念──至高体験と自己実現の視点から──  27
1. もう一度アンケート結果から 27
2. 「完成の時」について 30
3. マスローにおける至高体験の概念 32
4. 完成の時と至高体験との関係 34
5. 完成概念自体の問いなおしへ 37
6. 「区切り」からの展開 40

3) フランシス・ベーコンの絵画制作について
──偶然の作用を中心にして──   43
1.作品完成と偶然の作用との関わり 43
2.ベーコンの制作過程からの教示:挫折をどう乗り切るか 50


4) アルベルト・ジャコメッティの絵画制作について
──創造と破壊の果てに──   59
1. ジャコメッティのヴィジョンとは 59
2 ジャコメッティの絵画制作の現場:1956年の矢内原伊作との仕事から 62

5) 追求の果てに──第一部を振り返って──  73


第二部 現代絵画諸論
1) 絵画表現の変遷及び描画の発達過程と教育  80
序 80
1. 外在する視点 81
2. 内在化する視点──感覚から無意識へ 85
3. 描画の発達過程と教育 92

2) 「発生の絵画」についての考察 98
序 98
1.「発生の絵画」について:セザンヌからポロックへ 101
2. 「発生の絵画」の今日的諸相 105
3.「発生の絵画」の可能性 112

3) ドローイング論──思考の一形態として──  114
序 114
1. デッサンとドローイングについて 115
2.ヨーゼフ・ボイスのドローイング思考について 119
3. 様々な作家のドローイングについて 127
4. 新たな世界を把握するために 139

4) 今日のドローイング的表現に到るまで
──スケッチの受容とその今日的展開── 143
1.フランス近代におけるスケッチの概念とその受容 143
2. スケッチ表現からドローイング的表現へ
        ──20世紀の絵画表現を通して── 152

5) 静物画についての一考察
──〈位置〉と〈関係〉の視点から──   163
序 163
1.静物画──「位置」と「関係」の問題が収斂する場として 165
2.静物画──見て描くことの流動性 169
3.セザンヌからモランディへ:二次元性への還元 171
4.セザンヌからジャコメッティへ:流動性表現の深化 174
5.モランディとジャコメッティから今日へ 176
6.筆者の場合 179

おわりに──制作と理論の相関を目指して 183

著者紹介
小澤基弘(こざわ もとひろ)
筑波大学大学院修了 博士(芸術学)
文化庁芸術家在外研修員(98─99年)
現在 埼玉大学教育学部教授
専門:絵画実技および絵画論
画家として安井賞展、現代美術展、ドマーニ明日展に出展するとともに個展多数。
著書として『絵画の制作』(花伝社)、『実現への制作学』(三元社)、編者として『絵画の教科書』(日本文教出版)がある。また現在中学校美術教科書(日本文教出版)の著作者でもある。