書 名
一般人にとっての『般若心経』
変化する世界と空の立場
著 者
幸津國生
本体価格
2000円
ISBN
978-4-7634-0506-7
発行年月日
2007年11月20日
体 裁
四六判上製
頁 数
270頁
内 容
『般若心経』の新しい受け止め方
ヘーゲル学徒が読み解く「色即是空」の世界


めまぐるしく変化する今日の世界で、自己の存在を鋭く
問われる我々現代人。「色即是空」    あらゆる存在を
「空」と喝破する『般若心経』は、一人ひとりの生きる
拠り所になるだろうか?
新井満、柳澤桂子、水上勉ら、同時代人の作品を手がかりに、
『般若心経』の一般人としての受け止め方にいどむ。
目 次
はじめに …… 7
第1章 本書の問い   9
──いま変化する世界の中で人間として生きるための実践の原理をめぐって──
1 本書の問いの理由および考察の対象──一般人の視点から …… 9
2 自己と世界との関係への問いと空の立場 …… 13
3 教えを説く者と聴く者 …… 19
4 『般若心経』の取り上げ方 …… 23
5 本書の論点 …… 32


第2章 「いま」われわれを取り巻く世界の状況
        およびこの状況に対するわれわれの態度    35

1 「いま」われわれを取り巻く世界の状況──グローバル化による変化 …… 36
2 「いま」の世界の状況に対するわれわれの態度──IT化の中で …… 47
第3章 「色即是空 空即是色」「掲帝 掲帝……」   58
1 『般若心経』における「色」と「空」との関係をめぐる部分について …… 59
2 鍵概念についての学問的解釈 …… 74
3 「色」と「空」との関係をめぐる経典部分の解釈 …… 82
4 経典の心髄としての真言──空海『般若心経秘鍵』 …… 97

第4章 「空」の把握   105
──戦後日本の一般人向け経典解釈・一般人の立場からの解釈および近年の現代日本語訳──
1 高神覚昇『般若心経講義』 …… 106
2 水上勉『「般若心経」を読む』 …… 113
3 柳澤桂子「心訳」 …… 122
4 新井満「自由訳」 …… 131
第5章 一般人の立場と空の立場との関係    149
1 「いま」の世界における変化と空の立場 …… 150
2 われわれと空の立場との出会い …… 152
3 一般人にとっての空の立場 …… 158
4 実践の原理としての空の立場 …… 163

付論一 実践の原理に関する空の立場   177
──西谷啓治の「空の哲学」を手がかりに──
一 問題の所在 …… 177
二 現代の状況に対する評価 …… 179
三 空の立場 …… 183
四 実践の本来の領域としての「業」から空への「轉換」 …… 192
五 実践の一つの可能な原理としての空の立場 …… 194
付論二 歴史物語としての『愚管抄』   198
──実践の原理をめぐって──
一 はじめに …… 198
二 『愚管抄』における歴史物語の成立 …… 208
三 慈円における歴史物語の人間学的基礎
  ──時代の課題、彼の出自および社会における彼の地位について── …… 210
四 慈円の歴史物語の性格──連続性の表象としての「道理」── …… 213
五 慈円の歴史物語との連関における「末法」史観 …… 221
六 『愚管抄』の歴史記述の意味 …… 225

 註 …… 229
 文献目録 …… 252
 あとがき …… 259
 索引 …… (2)
著者紹介
幸津國生(こうづ くにお)
1943年 東京生まれ
東京大学文学部卒業
同大学院人文科学研究科博士課程単位取得
都留文科大学勤務をへて
ドイツ・ボーフム大学ヘーゲル・アルヒーフ留学(Dr.phil.取得)
現在 日本女子大学勤務

【著書】
Das Bedu¨rfnis der Philosophie. Ein U¨berblick u¨ber die Entwicklung des Be-griffskomplexes "Bedu¨rfnis","Trieb","Streben" und "Begierde" bei Hegel. Hegel-Studien. Beiheft 30. Bonn 1988
『哲学の欲求 ヘーゲルの「欲求の哲学」』弘文堂 1991 
『現代社会と哲学の欲求─いま人間として生きることと人権の思想─』弘文堂 1996
Bewusstsein und Wissenschaft. Zu Hegels Nu¨rnberger Systemkonzeption. Hegeliana 10. Frankfurt a.M./Berlin/Bern/New York/Paris/Wien 1999
『意識と学 ニュルンベルク時代ヘーゲルの体系構想』以文社 1999
『「君死にたまふことなかれ」と『きけ わだつみのこえ』・「無言館」─近代日本の戦争における個人と国家との関係をめぐって─』文芸社 2001
『時代小説の人間像─藤沢周平とともに歩く─』花伝社 2002
『茶道と日常生活の美学─「自由」「平等」「同胞の精神」の一つの形─』花伝社2003
『『たそがれ清兵衛』の人間像─藤沢周平・山田洋次の作品世界─』花伝社 2004
『ドイツ人女性たちの〈誠実〉─ナチ体制下ベルリン・ローゼンシュトラーセの静かなる抗議─』花伝社 2005
『『隠し剣 鬼の爪』の人間像──藤沢周平・山田洋次の作品世界2──』花伝社 2006
Bewusstsein, Idee und Realita¨t im System Hegels. Hegeliana 20. Frankfurt a.M./Berlin/Bern/Bruxelles/New York/Oxford/Wien 2007

【編書】
『ヘーゲル事典』(共編)弘文堂 1992
関連の本